早く薬が欲しい!
営業後の薬局を開けてもらったが…

 ある月曜日の午後、倦怠感と喉の痛みを覚えたAさんは、終業後にかかりつけの診療所を受診。風邪と診断され、喉の痛みや炎症を抑える内服薬の処方箋を書いてもらった。ところが、患者が多かったため、会計に時間がかかり、診療所を出たのは19時を超えていた。

 診療所のそばにあるB薬局の営業時間は18時までだが、近くには他に薬局がない。早く薬が欲しかったので、薬局に電話をして開けてもらうことにした。電話に出た薬剤師は快く対応してくれて、無事に処方箋通りの薬は出してもらえたものの、調剤明細書を見ると「時間外加算」が上乗せされていた。

 あらかじめ決められている営業時間内に来局すれば、調剤報酬の合計は2230円で、3割負担のAさんの自己負担額は670円で済むはずだった。しかし、営業時間後にわざわざ開けてもらったため、時間外加算として基礎額の100%である930円が上乗せされ、調剤報酬の合計は3160円。Aさんの自己負担額は950円となり、通常よりも280円多く支払うことになったのだ。

 わざわざ開けてもらったのが休日の場合は、基礎額の140%である1300円が加算され、自己負担額は通常より390円多くなる。また、22時以降などの深夜帯になると1860円が加算され、自己負担額は通常より560円多くなる。

 このように、いつもと同じ薬局に行って、出してもらう薬の内容は同じでも、処方箋を受け付けてもらった時間帯や曜日が違うと、自己負担額はこれだけの差が出てしまうのだ。