調剤薬局に支払っているのは
薬代だけではない

 薬局に支払われているのは、医薬品の代金である「薬剤料」だけではない。これに加えて、薬局や薬剤師の専門技術を評価する「調剤技術料」「薬学管理料」などの組み合わせによって調剤報酬は決まっていく。また、その薬局が、ジェネリックの普及や地域医療に貢献しているかなど、国が求める医療体制への貢献度に応じた「加算」もある。

 調剤報酬の加算の一つに、営業時間外や深夜、休日などに患者対応を行った場合の特別料金がある。それぞれの薬局の営業形態などに応じて、(1)「時間外等加算(時間外・休日・深夜)」、(2)「夜間・休日等加算」の二つの加算があり、次の表のように分類されている。

 開店前や閉店後など、通常の営業時間外にわざわざ開局して対応してもらった場合にかかる調剤報酬の加算だ。利用する時間帯や曜日によって、上記のような加算がかかり、患者は年齢や所得に応じた自己負担額を支払う。

 時間外等加算は、あくまでも営業時間外に特例的に対応してもらった場合にかかる特別料金。処方箋の受付時間が19時30分だったとしても、もともと、その薬局が標榜している営業時間が20時までの場合は加算できない。その場合は、「夜間・休日等加算」が付くことがある。

 これは、地域医療を守る観点から、他の薬局が閉まっているような夜間や深夜、休日などに営業している薬局を評価するための調剤報酬の加算だ。上記の時間帯に利用すると、処方箋の受け付け1回につき一律に40点(400円)が加算され、患者は年齢や所得に応じた自己負担額を支払う。

 ただし、輪番制による深夜や休日の当番薬局は、その患者のためにわざわざ開けたわけではないものの、地域医療を守るためにイレギュラーな対応として開局してくれているものだ。そのため、(1)の「時間外等加算」の深夜加算、休日加算が上乗せされる。

 では、時間外や深夜、休日に薬局を利用すると、実際にどれくらいの特別料金が加算されるのだろうか。Aさん(50歳)のケースで比較してみよう。