会社を辞めてすぐに次の仕事に就かない場合、加入する公的医療保険には3つの選択肢があるのをご存じだろうか。『医療費の裏ワザと落とし穴』の第280回では、すでに退職を考えている人もそうでない人も、選ぶ際に知っておきたいメリットとデメリットを解説する。(フリーライター 早川幸子)
退職したらすみやかに
別の公的な医療保険に加入
会社員として働いているときは当たり前に使える健康保険も、退職すると同時に給付を受ける資格を喪失してしまう。
だが、ある日突然病気やケガをする可能性は年齢や性別を問わず、誰にでもあることだ。そのときになんの保障もなかったら、高額な医療費を個人で負担しなければならず、経済的に困窮してしまう。
そのため、日本では、この国で暮らすすべての人になんらかの公的な医療保険に加入することを義務づけており、退職後はすみやかに別の制度への加入手続きをとらなければならない。
退職後の公的医療保険の加入先は、「被扶養者」「任継続被保険者」「国民健康保険」という3つの選択肢があり、支払う保険料や受けられる給付にも違いがある。今回は退職後の公的医療保険の選び方を考えてみたい。