50代で転職、82歳で起業した元ソフトバンク副社長が「50歳になったら履歴書を書け」と勧める理由82歳で海洋レーダーの事業を立ち上げた松本徹三さん(撮影/朝日新聞出版写真部・上田泰世)

 そうしたところにアクセスして情報集めをしておけば、副業のきっかけがつかめるかもしれません。

 そしてチャンスを見つけたら「迷わずやる!」。この姿勢が大事です。

 ついでにふれておくと、年を取ったら今以上にネットでのつながりが重要になります。体力的な問題で、若いときのように、世界中を飛び回ることができなくなっても、ネットがあればどこの国の誰とでもつながれます。

 それどころか、リアルでは絶対知り合えなかった人と友達になることもできます。私が歴史小説家の伊東潤さんと知り合えて、考えが似ていることをわかり合えたのも、私のツイッター(現X)を彼がリポストしてくれたのがきっかけです。ネットは年寄りの強い味方になると覚えておきましょう。

 定年後にガラリと変わるのは人間関係です。周囲から敬遠されて、孤独な年寄りにならないためにも、50代から人間関係のつくり方を意識しておくといいでしょう。

50代で転職、82歳で起業した元ソフトバンク副社長が「50歳になったら履歴書を書け」と勧める理由『仕事が好きで何が悪い 生涯現役で最高に楽しく働く方法』
松本 徹三 (著)
定価957円
(朝日新聞出版)

 人間関係の基本原則は「自分が相手の立場だったらどう思うか」だと思います。

 私はビジネスにおいてもプライベートの人間関係でも、つねにこの原則にもとづいて行動してきました。相手の立場に立つことを忘れなければ、人間関係が大きくくずれることはないと思います。

 そして、いつもニコニコして、ハキハキと話す。いばって、しかめ面の年寄りは嫌われて孤立するだけです。相手が気分よくなる人間でいられるよう、今から心がけておきましょう。

(構成:辻由美子)

AERA dot.より転載