50代で転職、82歳で起業した元ソフトバンク副社長が「50歳になったら履歴書を書け」と勧める理由写真はイメージです Photo:PIXTA

 人生100年と言われる時代、生涯現役で活躍するには50代からの準備が必要、と語るのは元ソフトバンク副社長の松本徹三さんだ。松本さんは50代で伊藤忠を退職、その後ソフトバンク副社長などを務め、82歳にしてまったく新しい海洋探査のベンチャー企業を立ちあげた。新刊『仕事が好きで何が悪い!』(朝日新書)でも紹介した、生涯現役で活躍するには何をしたらいいのかの答えを、松本さんに聞いてみた。

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 定年になって会社を離れると、それまでの肩書、名誉、人間関係、収入などすべてが失われます。自分の実力だと思っていたものが、みなかりそめのものだったと気づかされる。いばって仕事をしていた人ほどみじめな定年を迎えることになるでしょう。

 そうならないためには50代から定年後をみすえた準備をしておくべきです。何をするのか。

 まず自分自身を徹底的に見つめるのです。

 今はそれなりの地位にいて、みんながちやほやしてくれていても、これが自分の本当の実力なのか、冷静に見つめ直す必要があります。

 人生100年と考えると、50代はちょうど半分。残り半分の人生を有意義に生きるためにも、前半の50年をふり返っておくいい機会です。といっても漠然と見つめ直すだけではダメです。

 私は、自分の履歴書を書いてみることをおすすめしています。履歴書といっても、よくあるように「何年何月 ◯◯部課長、何年何月 ××部部長」と役職を並べたてるものではありません。そんなものに何の意味もありません。

 それより自分がこれまでどんな仕事をしてきて、どんな成果をあげたのか、具体的に書いていくのです。

 さらに自分はどんな人間で、何がしたいかも書いておきましょう。

 外国で履歴書といえば、こちらが標準です。彼らはこれでもかというくらい、自分自身を盛って書きます。そこまでする必要はありませんが、自分の仕事の総ざらいをしてみる。

 そしてかりに自分が転職で面接を受けている身だとして、面接官から厳しくつっこまれても説明できるよう、完璧な履歴書をつくるのです。