正解:D社の方が収益基盤がしっかりしている
粗利率、営業利益率、経常利益率が高いのはD社
収益基盤を見るうえで重要なのは、まず粗利率。粗利率が低いと、収益は不安定になります。
次に営業利益率、経常利益率を見ます。
ここまで見るとD社のほうが利益率が高く、しっかりした収益基盤を持っているのは明らかです。
C社の当期純利益率が高い理由は……
経常利益率が高いD社の当期純利益率が低いのは、特別損失(一時的損失)が出ているため。
経常利益率が低いC社の当期利益率が高いのは、特別利益(一時的利益)が出ているためと考えられます。
当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失-税金等
特別利益は、不動産売却益や持ち合い株式の売却益など一時的な利益です。
特別利益は繰り返し発生する利益ではないので、金額が大きくても収益基盤が安定しているとは言えません。
特別損失は、固定資産の減損損失やリストラ損失、災害による損失などで、これも原則的には一時的な損失です。
特別損失が大きくても、収益基盤が弱いとは必ずしも言えません。
また、利益率の水準は業界やビジネスモデルによって大きく異なるので、1社だけでなく、色々な会社と比較してみることが重要です。
(本稿は、『株トレ ファンダメンタルズ編』から抜粋・編集したものです。)