「パパの後、くさいから嫌!」――小学校高学年の娘が放った言葉。これは多くの中年男性が直面する問題かもしれない。消化器内科医の石黒智也先生が、匂いの原因や対策について詳しく解説。腸内環境の重要性や生活習慣の見直しによる改善策など、今すぐ取り組めるアドバイスも紹介する。家族円満の一助になることを願ってやまない。(取材・文/鳥居りんこ)
中年期の男性の便はなぜ臭う?
小学校高学年の娘を持つ浩さん(仮名)が相談とも愚痴ともつかぬ様子でこう言った。
「最近、娘が僕のことを毛嫌いするようになって…。パパはくさいから嫌だって言うんですよ」
「思春期の娘が父親を嫌うというのはよくあることで、一過性のものであるケースがほとんどって聞きますよ」と慰めようとしたら、浩さんが「心底困っていることがある」と打ち明けてくれた。
それは、己のトイレ後のにおい。娘さんは浩さんが使用したトイレの後には絶対に入らないそうで、浩さん自身にもにおいの自覚があるそうだ。
そういえば、筆者にも心当たりがある。思春期の頃は確かに父親が用を足した後のトイレに入るのは苦痛だった。そういえば、母親のそれを嫌だと思った記憶はない。もしかして、中年期の男性の便はにおうのだろうか?
その疑問を解決すべく『消化器内科の名医が本音で診断 お腹のトラブル撲滅宣言』(双葉社)を出した消化器内科医の石黒智也先生に聞いてみた。
――単刀直入にお伺いしますが、お父さんのうんちというのはくさいものですか?
石黒医師(以下、石黒) お父さんのうんちというよりも、元々、うんちはくさいものです(笑)。性別や年齢というよりも、腸内環境によるところが大きいと思いますよ。