今年1月からスタートした新NISAには、上場株式などが投資対象の「成長投資枠」があり、年間成長投資枠240万円、非課税保有限度額1200万円まで投資ができる。「新NISAの成長投資枠と配当株投資は抜群に相性がいいので、うまく活用すると将来、収入源の1つの大きな柱となります」と語るのは『新NISAで始める! 年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』(クロスメディア・パブリッシング)の著者で、投資家の配当太郎さん。新NISAを使った配当株投資のやり方や好業績が見込める株の探し方を教えてもらった。(取材・文/ジャーナリスト 村田くみ)
“配当金ダルマ”で
生活を安定させる
「配当株投資」とは買った株を売買して利益を得るのではなく、株を保有しながらその企業の「配当金」によって利益を得るという投資法。最低でも10〜20年くらいのスパンで株数を増やしていき、地道に年間配当金を積み上げていく方法だ。
「新NISAは受け取る配当金に税金がかからないという大きなメリットがあります。旧制度では利用制限が設定されていましたが、それが廃止されたことで長期的なライフプランに沿った活用が可能になりました。例えば、ローンの返済などで急にお金が必要になったときは株を売って現金化すればいいですし、年金生活で生活費が不足するなら配当金収入で補えばいい。無理に働く必要もなくなります。新NISAのメリットを最大限に生かしながら将来の生活を安定させる。その中心となってくるのが配当株投資なのです」(配当太郎さん)
「年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資」という最新刊のサブタイトルに対して疑心暗鬼の人も多いそうだ。年間240万円というのは、1カ月あたり20万円の配当金が入ってくることを想定している。配当利回りが3〜4%だとしたら、6000万円〜8000万円の投資額が必要になるので「そんなの無理だ」という声も寄せられているという。しかし、配当株投資のポイントは「増配」にある。
「配当株投資の考え方は、漠然と企業の増配をアテにして待つのではなく、増配が期待できる企業を選び抜いてその株に集中して投資することにあります。例えば、現在1株あたり10円の配当金を出している企業が毎年1円ずつ増配し続けたとすると、10年後の配当金は20円になります。この株を1株配が10円のときに買って、余力があるときに買い増しておけば10年後、配当金の総額は2倍以上に増えている、ということになります。今すぐ240万円になるわけではなく、10年、20年かけて株を買い続けて配当金を増やすことを目標にしています。配当株投資によって雪ダルマ式に利益が積み上がるイメージを『配当金ダルマ』と呼んでいます。新NISAは配当金ダルマを大きく育てるための武器になると考えています」
高値づかみを恐るな!
割安な“お宝銘柄”はまだある
1200万円の非課税保有限度額を使い切っても、株を保有している企業が配当金を出してくれる限り、その恩恵を無期限で受け取ることができる。