1987年の再来か、株価暴落の要因は?Photo:Bernard Bisson/gettyimages

 金融市場は本来なら群衆の知恵を取り込むはずだが、5日に群衆は叫び声を上げて手を振りながら四方八方に走った。日本の株式市場は過去37年で最大の下げとなり、米国株市場のボラティリティーを示すVIX指数の上げ幅は1990年以降のデータで2番目に大きかった。パニックが襲った。

 この株価急落のきっかけとなったのは、2日に発表された米雇用統計だ。同統計を受けて、経済のシナリオはソフトランディング(軟着陸)からハードランディング(急失速)へと突然変わった。そこに人工知能(AI)を巡る熱狂の一時的な弱まりと、円相場の押し上げを狙った日銀の利上げも加わった。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが、保有していたアップル株の半分を売却し、現金保有を増やしたとの報も、痛手を大きくした。