アトランティックサーモンは、サイズこそ月並みだが、料理の世界では人気の「大物」だ。しかし生産者は、この北大西洋を中心に生息するサケが王者の座を保つのには厄介な問題に直面している。脳を活性化させるオメガ3脂肪酸を摂取しようとする健康志向の消費者のおかげで、サケは世界屈指の急成長を遂げる食材となっている。サッカー元イングランド代表のデビッド・ベッカム氏の妻で元「スパイス・ガールズ」のビクトリア・ベッカム氏は昨年、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、サケを主食だと考えていると語った。彼女だけではない。米国ではサケはエビに次いで人気の高い魚介類だ。熱狂的な人気は価格を高騰させ、新たな億万長者を生み出している。サケの養殖で財を成したノルウェー人経営者の御曹司でファッションモデルのグスタフ・マグナー・ウィッツアーさん(31)もその一人だ。今年のニューヨーク・メトロポリタン歌劇場のガラ・コンサートに、サーモンピンクのヴェルサーチェのケープをまとって姿を現し、世間をあっと言わせた。
サーモンの価格高騰、片棒担ぐ吸血シラミ
レーザーやダンゴウオなど、サケ養殖業者はあの手この手で対策
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