さまざまな専門家に決算書の読み方を解説してもらう連載『会計サミット2024』。今回は、投資歴約20年、資産3億円超えの投資家VTuberはっしゃんが、投資家ならではの「決算書の読み方」のコツをお伝えする。(投資家VTuber はっしゃん)
スゴ腕投資家は
決算書をどう読んでいる?
今回は、投資家視点で「10倍株を発掘するための」決算書の読み方を解説します。
そもそも、決算書の読み方は、経理担当と社長とでは異なりますし、投資家もまた違います。そして、経理や社長が投資上手とは限りません。投資家には、投資家向けの決算書の読み方があります。
決算書には、過去の情報が記載されています。しかし、株価には、将来への期待をエネルギーとして動く性質があります。
下図は、「ハイプ・サイクル」と呼ばれるものです。1995年に米調査会社のガートナーが提唱したもので、新技術が普及していく過程を5つの時期に分けて説明しています。このサイクルは、株式投資で株価が10倍になっていく成長株の発掘、そして決算の検証に役に立ちます。
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ハイプ・サイクルは、(1)黎明期、(2)流行期、(3)幻滅期、(4)回復期、(5)安定期の5つのサイクルから構成されています。このうち、投資に適した時期は、(3)幻滅期から(4)回復期にかけての期間です。この期間は、業績と株価が比例して上昇しやすい時期になります。
つまり、業績と株価が比例して上昇しやすい時期にある企業を見つけることが重要なのです。そのためには、どのように決算書を読むのか。はっしゃん式「決算書速読5カ条」では、主に決算短信の「1ページ目」にある情報を基に企業の現状、そしてその先の期待度を読み解いていきます。