あなたも億り人に!? 凄腕シニア投資家が教える 株式運用術#4Photo by Kohei Takeda

日経平均株価が初めて4万円を突破した日、取材班は投資歴68年のベテラン投資家、藤本茂さん(シゲルさん、87歳)に密着取材を敢行した。だが、大台突破の瞬間、特に感慨深さは見られず。4万円は通過点にすぎないと考えているからだ。では、現役トレーダーでもあるシゲルさんは今後、どこまで上がるとみているのか。特集『あなたも億り人に!? 凄腕シニア投資家が教える 株式運用術』(全17回)の#4では、歴戦の投資家が気に掛けるアノマリー(経験則)と併せて明らかにする。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

シゲルさんが見通す日経平均4万円の先
「決算プレー」で大相場へ?

「5月までは強気でいきますよ!」。日本株を巡る見立てを聞くと、シゲルさんは威勢よく応じた。日経平均株価が3月4日に史上初めて4万円の大台に到達してから、およそ1週間後のことだ。

 日経平均は3月4日を直近ピークとして峠を越え、翌週には3万8000円台に逆戻り。かねて割高感が指摘されていた半導体株への売りなどが膨らみ、市場には不穏な空気も漂っていたが、シゲルさんの相場観は「初4万円」の時点と変わっていなかった。

 シゲルさんは、一部の半導体銘柄などに過熱感はあるものの、株価が割安か割高かを判断する代表的な指標のPER(株価収益率)で見ても、足元では16倍程度と、決して日経平均の割高感は強くないと考えている。

「まだ通過点」と捉えているが故、投資歴68年という超ベテランは、節目の大台到達にも特に感慨はない。実際、シゲルさんの席のすぐ横で取材班がそのトレードの様子に密着し、初めて4万円を付けた3月4日も、いつもと同じく寄り付き前から淡々と売買対象となる銘柄を探していた。

 シゲルさんは、「一喜一憂せえへんのは、年の功があるんかもしれへんな」とも語る。

 では今後、日本株はどこまで上がるとみているのか。次ページでは、その具体的な見通しとともに、歴戦の投資家が気に掛けるアノマリー(経験則)と併せて明らかにする。