知らずにスパイに加担していることも!?
急接近してくる相手にはご用心

 また、ターゲットとなる人間を引き抜いたり転職させるという形ではなく、日本の企業や研究所に勤めながら、ほしい情報を漏洩させるケースもあります。

 これは最初から金銭と引き換えに情報提供を持ちかけるのではなく、「日本のことを勉強したい」とか「もっと会社のことを教えてください」と言って、「お礼にご飯をご馳走します」といった関係づくりから始めるケースが多いようです。

 それがだんだん高価なプレゼントになり、自分では行かないようなレストランでのご馳走などと、深みにはまっていきます。

 ハニートラップがからむこともあります。ターゲット本人もそれはわかっていながらも、甘い言葉でそそのかされて、後戻りできなくなってしまい、スパイの協力者にさせられてしまうのです。こうなると、もう完全にスパイ行為に加担していることになります。

 これは大企業や研究所などに勤める人だけでなく、中小企業やITのスタートアップ企業でも、独自技術やノウハウを持つところは狙われることもあるようです。

 個人的に急に親しくなったような人物から、会社や仕事のことを深く聞かれるようなことがあったら、決して自分だけの判断、独断で動かないことです。

 声をかけられた相手や状況を含めて会社に報告し、会社として徹底的に調べるなど、対応してもらいましょう。