ロシア極東カムチャツカ出身の新兵アナトリー・シュチェチニンさん(26)は昨年秋、ウクライナの最前線への派遣は近いと告げられ、別の計画を練った。ロシア南部の基地からアルメニアに逃亡すれば無事でいられると考えたのだ。だが、ロシア当局は彼を見逃さなかった。警察は家族を脅し、きょうだいのアンナ・シュチェチニナさんを尋問した末、「必ず見つけ出す」と言い放った。その約束は果たされた。シュチェチニンさんはアルメニアでロシア軍当局に拘束され、現在はロシアに戻っている。脱走の罪で裁判を受ける、あるいは戦場に再び派遣される覚悟はできているという。ロシアはあらゆる手を尽くしてウクライナでの深刻な兵員不足を補おうとしており、脱走兵の捜索もその一環だ。