スターバックスは労働者に優しい対応の最新のものとして、一人の従業員に新しい特典を与えた。新たに同社の最高経営責任者(CEO)となるブライアン・ニコル氏は、9月9日のCEO就任に際して、シアトルへの「引っ越しを強いられない」というのがその特典だ。ニコル氏は引っ越しをせず、カリフォルニア州ニューポートビーチから社有のジェット機で通勤することになる。彼にこの通勤費に見合う価値があるかどうか決めるのは、同社の取締役会と株主に任せるが、この特典を認める判断は、コーポレートガバナンス(企業統治)に責任を持つという同社の主張と矛盾する。スターバックスは「気候変動の影響を緩和する策を見つけ出すための何十年にも及ぶ取り組み」を盛んに宣伝してきた。同社は二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までに半減することを目標に掲げ、カーボンフットプリント(商品・事業のライフサイクル全般を通じたCO2排出量)を減らすためにサプライチェーン(供給網)再編を進めてきた。同社はまた、「Transform to Net Zero(ネットゼロへの転換)」のグローバル企業による取り組みに、創設メンバーとして参加しており、2050年までにネットゼロ(CO2排出量実質ゼロ)を実現すると約束している。同社のウェブサイトには「未来に向けたわれわれのビジョンは、地球から奪い取るものより地球に還元するものの方を多くするという、リソースポジティブな存在になることだ。単独でそれを達成できないことは分かっている。すべての関係者の協力が必要だ」と記されている。
【寄稿】スターバックス新CEO、過剰な「炭素の足跡」
気候変動を気にせず飛行機通勤へ
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