座り込む男性写真はイメージです Photo:PIXTA

グーグルが本社を構えるシリコンバレーおよびカリフォルニアは現在、非常に高い貧困率に苦しみ、ホームレスの野宿が増え、チフスやペストが流行の兆しにあるという。テック企業が富めば富むほど、不幸な人が生まれるカリフォニアの現状とは?本稿は、ジョエル・コトキン著、寺下滝郎訳『新しい封建制がやってくる』(東洋経済新報社)の一部を抜粋・編集したものです。

カリフォルニアはホームレスが爆増し
伝染病が蔓延するディストピアに堕ちた

 米国勢調査局によると、カリフォルニア州の貧困率(生活コスト調整済み)は全米で最も高くなったという。

 アメリカの生活保護受給者の実に3分の1が、全米人口の12%を占めるカリフォルニア州に住んでいる。2017年に行われたユナイテッド・ウェイの調査では、カリフォルニア州の3分の1近くの家庭が、請求書の支払いをするのがやっとの状態であることが明らかになった。現在、カリフォルニア州の住民のうち800万人(うち児童200万人)が貧困にあえいでいる。PPICの調査によると、カリフォルニア州の児童の45.8%がしばしば標準以下の住居に住んでおり、貧困レベルぎりぎりの状態にあることがわかっている。

 カリフォルニア州の人口の45%を占めるヒスパニック系とアフリカ系のアメリカ人は、特に厳しい状況に置かれている。ユナイテッド・ウェイの調査によると、ヒスパニック系住民の約3分の1、アフリカ系住民の約5分の1が貧困の淵に立たされているという。