「やればできる!」と思考が変わる話題のベストセラーが日本に上陸。31歳、一度は人生をあきらめた著者が再起できたのは、古今東西の成功者たちが持つ「6つのマインド」にあった。3000冊を超える本を読み、抽出された「プラス思考」「決断力」「切実さ」「愚直さ」「謙虚さ」「根気」を武器に、一度しかない人生、「なりたい自分」になる夢を行動に変える方法を1冊に凝縮。新刊『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』から「やればできる」と信じられるノウハウを紹介する。

「貧乏」でも「環境」が悪くても負けない! 現実を否定から肯定へ変える方法Photo: Adobe Stock

なくても“ある”と思う

 世界的な声楽家スミ・ジョーが子ども時代に母親から教わったという「つもりごっこ」は、プラス思考の代表格です。貧しくてクリスマスツリーも買えず、よそのツリーを見物するしかなかったその頃、スミ・ジョーの母親は「うちにツリーがあるつもりになろう」と、幼い娘を慰めました。

「母から『うちにツリーがあるつもりになろう』と言われると、キラキラ光るツリーが家の前に現れました。そんなことを昔からしていたので、何か欲しいものがあっても、『あるつもりになればいいや』と言うと、あるような気がしてくるのです。デビュー公演の日も、うまく歌えたのは母が前にいるつもりになったからです。母がいてくれると思うと力が湧いてきて、いつもよりずっとうまくやれました」

 あなたも、あなたなりの「つもりごっこ」によって、現実を否定から肯定へと変えてみましょう。足りないことがあっても、あるつもりになれば、足りない現実を怒ったり恨んだりすることなく、肯定的に明るく過ごすことができるでしょう。

 留学の費用がないからと挫折するのではなく、外国に行ったつもりになったらどうでしょうか。外国にいるつもりで英語漬けになって勉強すれば、留学しても自国の人とばかり付き合う人よりも、はるかに素晴らしい成果を上げられることでしょう。英語講師のイ・グンチョルは、一度も外国に暮らしたことがなく、国内でのみ勉強しましたが、それでもスター講師になれました。

 すべてを手に入れられない現実で、いくつか足りないものがあるからといって、それが何でしょうか。あるつもりで楽しく暮らせば、それでいいのです。小説『小公女』の主人公セーラが逆境に打ち勝てたのも、彼女なりの「つもりごっこ」のおかげだったのです。

(本記事は、『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』から抜粋、一部編集したものです)