「ピークがないまま人生が終わる人」と「人生後半で大逆転する人」の決定的な差

SNSの総フォロワー数は300万人を超え、YouTube動画の月間再生数は3億回を超えるなど、現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の最新刊『99%はバイアス』では、「ブレイクの秘訣」を明かし、「どうすれば影響力を持てるのか?」「口のうまい人がトクする世の中で、どう生きるべきか?」などをマジメに語った。
今回は、本書の発売を記念し、特別インタビューを実施。「ピークがないまま人生が終わる人」と「人生後半で大逆転する人」の違いについて、ひろゆき氏に解説してもらった。(取材・構成/川代紗生、撮影/榊智朗)

夢を諦めるべきか、就職するべきか?

──ひろゆきさんのYouTube配信には、いつもたくさんの人生相談が寄せられていますよね。とくに、「これまで継続してきたことをこのまま続けるべきか、それとも夢を諦めるべきか」という相談者さんが多いように思います。
「継続してきたことの芽が出る瞬間」を見極める方法は、何かあるでしょうか。

ひろゆき:そういう悩みって、そもそも、継続できないような環境をつくるのが間違いな気がするんですよね。

──継続できないような環境?

ひろゆき:たとえば、「音楽で食えるようになりたい」という夢を持っている人がいるとしますよね。よくあるのが、29歳までずっとアルバイトしながら音楽を続けてきたけど、なかなか結果が出ない。売れない。

 さて、バンドで売れる夢はもう諦めて、就職活動するべきだろうか。それとも、もう少し継続すれば芽が出る瞬間がやってくるんだろうか。ダメならダメで、さっさと諦めて別の道を選んだほうがいいのに、なかなか踏ん切りがつかない──みたいな話じゃないですか。

──そうですね。自分が諦めたあとに、同世代のライバルがうまくいったらと思うと悔しくて、それで延々と悩み続ける……みたいな感じだと思います。

ひろゆき:夢を叶えたい人がいちばん最初にやるべきなのは、「正社員になること」だと思うんですよ。毎月の給料が確定していれば、スタジオ代とかも出し続けられるじゃないですか。

「ピークがないまま人生が終わる人」と「人生後半で大逆転する人」の決定的な差「40歳や50歳になっても花開かなかったらごめんなさいなんですけど(笑)」

 それで、40歳や50歳になっても花開かなかったらごめんなさいなんですけど(笑)。20代の10年間でアルバイトをしながら生活費を稼いでスタジオ代出して……って、単純に効率が悪いんですよ。

 音楽の片手間でアルバイトをしようと思うと、どうしても、シフトの融通が効くコンビニとかで、時給1000円くらいで働くしか選択肢がないんですよね。

 時給1000円で生活費とスタジオ代を賄おうと思ったら、たくさんの時間働かなきゃいけなくなるので、結果的に、「生活費も少ない上に、労働時間も長くて、体力も奪われる」っていう、最悪のパターンになる可能性が高いんですよ。

──そうか、だから、一見時間が奪われるようでも、正社員のほうが効率がいいと。

ひろゆき:29歳で音楽をやめるか就職するかで悩む……といっても、職歴がない29歳が正社員になるのって、かなり難易度が高いですしね。

 夢を追いかけたい人は、正社員になって、ひとまず「継続できる環境」を確保するのが実は近道じゃないかなーと僕は思うんですけど。

それは「蓄積が力になるパターンの夢」なのか?

──なるほど。まず「夢を追いかけるか・諦めるか」の極端な二択思考はやめたほうがいいですね。

ひろゆき:「夢」と一括りで捉えて全部一気に解決しようとせずに、それぞれの目的によって、細かく分析するのがいいと思います。

「夢」には、「蓄積が力になるパターンの夢」と「いくら蓄積しても結果が出るかわからないパターンの夢」と、2種類があるんですよね。

 たとえば「外国語を話せるようになりたい」という夢は、時間を費やせばほぼ確実に叶えられるじゃないですか。

 でも、「音楽で売れたい」みたいな夢は、どれだけ努力しても結果につながるとはかぎらないんですよ。

 波に乗れるかどうか、社会に認知されるかどうか……運の要素が大きい。市場に合わせないといけないので、大量の時間を使って技術を伸ばすのは大前提で、さらに、プラスアルファの行動が必要になる。

──技術力と認知度、どちらもアップさせないといけないわけですね。

ひろゆき:「運の要素が大きいパターンの夢」を叶えたい場合、打席に立てる回数が多ければ多いほど成功確率は上がります。だから、いろんなコンテストに応募するとか、作品をたくさん作ってSNSにアップするとか、長い時間をかけて音楽活動をできる環境をつくったほうがいいですよね。

「カーネル・サンダースは65歳で成功した」という言葉のワナ

──成功確率を上げるためには、具体的にどんな戦略を立てるといいでしょうか。

ひろゆき:成功者の、「①努力の方向性を決めた年齢」「②成功し始めた年齢」「③引退年齢」を調べるのがいいと思います。この3つによって、やるべきことが違うんですよ。だからまずは、「目指す分野である程度の結果を出している人」について調べてみるのがいいんじゃないでしょうか。

「カーネル・サンダースは65歳からケンタッキーを成功させた」という話を「大器晩成型の代表例」として持ち上げる人がいますけど、よくよく調べてみると、じつはカーネル・サンダースも、30代のときにはすでにガソリンスタンドを経営してるんですよね。

「65歳でも一発逆転できた」というのはたしかに事実かもしれませんが、別の見方をすれば、「軌道に乗るまでに30年以上かかった」とも言える。いきなり成功したんじゃなくて、「努力の方向性」は若いうちからある程度決めていたわけです。

 なので、自分がチャレンジしたい分野の成功者を複数ピックアップして、「①努力の方向性を決めた年齢」「②成功し始めた年齢」「③引退年齢」を洗い出してみたら、だいたい統計が出せるはずなので、そうすると、自分が進むべき大まかな方向も見えてくると思いますよ。

 まあ、引退年齢が若くて、「もう無理だ」ってなるかもしれないですけど(笑)、諦めがつくならそれはそれでいいんじゃないでしょうか。

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ひろゆき

本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、シリーズ50万部を突破した『99%はバイアス』『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。

「ピークがないまま人生が終わる人」と「人生後半で大逆転する人」の決定的な差