「やればできる!」と思考が変わる話題のベストセラーが日本に上陸。31歳、一度は人生をあきらめた著者が再起できたのは、古今東西の成功者たちが持つ「6つのマインド」にあった。3000冊を超える本を読み、抽出された「プラス思考」「決断力」「切実さ」「愚直さ」「謙虚さ」「根気」を武器に、一度しかない人生、「なりたい自分」になる夢を行動に変える方法を1冊に凝縮。新刊『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』から「やればできる」と信じられるノウハウを紹介する。

人生でたった一度でも、すべてをかけたことがあるだろうかPhoto: Adobe Stock

一度きりの人生、死ぬのも一度だけ

32歳。財産もなく、実績もない。
私を死ぬほど愛してくれる人もおらず、
私が死ぬほど愛する人もいない。
憂うつな自由か、自由な憂うつか。
私はやり直すことができるのだろうか。
それが何であれ。

 20代のとき、私は国家公務員試験の勉強を5年以上も続けましたが、合格の足切りラインにも届きませんでした。そして、しばらくコンピューターゲームにはまって、廃人のような生活を送っていました。文字通り、財産もなく、実績もなく、ほとんど自暴自棄に近い状態だったのです。

 そんな私が、31歳で再び国家公務員試験の勉強を始めるというのだから、周囲には誰ひとりとして、私の決定に賛成してくれた人はいませんでした。何よりも、試験勉強を何年したとしても合格できる保証はないのですから、友人や家族たちからも反対されました。

「お前、合格できもしないのに、試験にしがみついて人生を棒に振りたいのか?」

 そうやってみんなから止められましたが、以前とは違い、私の胸の片隅には何か熱いものがうごめいていました。

「人生でたった一度でも、すべてをかけたことがあるだろうか」

 私には確信がありました。奇跡は自分のなかにある、だから生まれ変わりさえすれば、きっと人生の逆転劇を起こせるに違いない――。そして、人生の重圧の前で尻尾を巻いて逃げ出したり、一度もトライせずにあきらめたりすることだけはすまいと、心に決めました。そう考えると、これまで生きてきて、一度も心の底から全力で努力したことがなかったことが恥ずかしくなりました。ここであきらめたら、死ぬまで後悔することでしょう。

 外部の声は無視して、自分の内なる声に耳を傾けて目標を定めました。すると、心の深いところから「自分ならできる」というポジティブな声が聞こえ、全身に力がみなぎってきました。兵役を終えた日、「1年以内に国家公務員試験に合格してみせる」と心に決めて、周囲から止められるのもかまわず、ただちに計画を実行に移しました。

 その結果、決意した通り、1年で国家公務員試験の1次試験と2次試験に合格できたのです。惜しくも面接で落とされたものの、くじけることはありませんでした。むしろ「やればできる」という自信にあふれました。そして翌年、ついに国家公務員試験と国会事務局職員試験の両方で、最終合格を勝ち取ることができました。

 20代のとき、5年間も勉強したのに足切りラインにも届かなかった私でも、「やればできる」と確信し、心を入れ替えてチャレンジしたら、わずか2年で難関の2大国家試験を突破することができたのです。

 人生で初めてと言えるほどの努力をしたか?
 努力もせずに、無理だとあきらめてはいないか?

 もう言い訳はやめましょう。一度きりの人生、死ぬのも一度だけ。死ぬ前に、新たな決意で、新しい人生を始めるチャンスがあるはずです。

 すべてはあなたの決心にかかっています。不可能はありません。切実さと「やればできる」という思いを抱き、いますぐ決断するのです。あきらめずに努力すれば、できないことはないのですから。

「これまで一度でも真剣にやったことがあるか?」

 一度きりの人生です。夢に向かって、すべてをかけましょう。悪いことは絶対に起こりません。

(本記事は、『たった一度でもすべてをかけたことがあるか』から抜粋、一部編集したものです)