ドナルド・トランプ前米大統領へのごますり競争は、共和党の一部の外交政策専門家を不穏な方向へと導いている。トランプ政権の国防戦略の策定を共同で主導し、2期目のトランプ政権になれば国防総省の要職に就く可能性があるエルブリッジ・コルビー氏を考えてみよう。コルビー氏はここ数日、中国が台湾に侵攻した場合に米国が台湾防衛に駆け付けない可能性を示唆するコメントをソーシャルメディアで立て続けに発信している。また、トランプ政権で国家安全保障問題担当補佐官を務め、国務長官候補として名前が挙がるロバート・オブライエン氏の発言に耳を傾けてみよう。オブライエン氏は7月、記者団に「われわれは負担を分担しなければならない」と語り、台湾に対し、域内総生産(GDP)の少なくとも5%相当を防衛費に充てるよう求めた。