ドイツの州議会選が、欧州最大のこの国以外で大きな注目を集めることはめったにない。しかし今回の州議会選が例外であることは、誰もが認めるだろう。ザクセン州とテューリンゲン州で1日に行われた選挙の結果が、伝統的政党の衰退と反体制派政党の躍進に危機感をつのらせてきた欧州諸国に、さらなる衝撃を与えたからだ。右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が、テューリンゲン州で第1党となり、ザクセン州で僅差の2位の議席数を確保するなど躍進したが、それは話の半分に過ぎない。AfDは、他のユーロ圏諸国への救済策に反対する学者らの運動組織として10年ほど前に立ち上げられた。しかしAfDはその後、旧東独を主要基盤とする反体制派政党になっていった。AfDは今回の2州の選挙で、いずれも全体の3分の1近い票を獲得した。