夏休みの宿題代行、メルカリに蔓延する脱法手口「あとは写すだけ」「参考にしてください」写真はイメージです Photo:PIXTA

児童・生徒の夏休みが終わったが、ご家庭によってはギリギリまで、「宿題」に追われた読者も多いのではないだろうか。宿題といえば、つらいイメージがつきものだが、面倒ごとがあるところに、怪しげな商売あり。そこで今回は、宿題をめぐるインターネットの「魔境」を探検してみたい。(ネットメディア研究家 城戸 譲)

「宿題代行の根絶」打ち出したけど…

 そもそもの話であるが、宿題は子どもたちに苦行を強いて、達成感を覚えさせるための存在ではない。学習の定着や、発想力の増進を目的とするもので、誰かの成果を流用してしまえば、健全な学習を妨げることになってしまう。宿題代行サービスや商品の利用が、よしとされないのは、そうした事情がある。

 フリマアプリ大手のメルカリも、以前から宿題代行の出品を禁じている。ヘルプページには「宿題や自由研究、論文など、本来自らが行うべき行為の他者による代行・代筆(完成品を含む)」と具体的に書かれ、それに抵触する出品物は、取引キャンセル・商品削除・利用制限などの措置を取る場合があるとされている。

 また、6年前の2018年8月末には、メルカリと文部科学省が「宿題代行行為の根絶」に向けて、合意に至ったと発表された。メルカリの発表文によると、それ以前は「完成品については、氏名など個人情報が記載されているものは削除対応」としていたが、それ以外は「出品者の自由を尊重する観点」から、禁止商品とはしていなかった。

 文科省は同じタイミングで、ヤフーの「ヤフオク!」や、楽天の「ラクマ」(いずれも当時の社名・サービス名)とも、メルカリと同様の合意を交わしている。

 しかし、各社と文科省の合意文書における、「宿題代行」の定義は「子供たちに代わって宿題を行う薬務を提供することや、読書感想文や自由研究といった宿題の完成品を売買すること」となっている。そのため、規約の穴を突くように、生き残っているものもある。