たとえ「お手本」だとしても

夏休みの宿題代行、メルカリに蔓延する脱法手口「あとは写すだけ」「参考にしてください」『君の名は。』の読書感想文もメルカリに出品されていた

 大学などでは昨今、生成AIから出力されたレポートをそのまま学生が提出したケースが、しばしば問題になっている。

 文科省は2023年7月、大学や高専における生成AIの取り扱いについて周知を出したが、そこでも「生成AIの出力をそのまま用いるなど学生自らの手によらずにレポート等の成果物を作成することは、学生自身の学びを深めることに繋がらないため、一般に不適切と考えられること」に留意する必要性が示されていた。

夏休みの宿題代行、メルカリに蔓延する脱法手口「あとは写すだけ」「参考にしてください」メルカリに「専用出品」された『はれときどきぶた』の感想文

 実際にそっくりそのまま書き写して提出したときに、教師がそれを判断できるとは限らない。先に紹介した出品物は、なまじ人間の手で作られた作品である(と思われる)ため、生成AIのように「独自のクセ」をチェックすることも難しいであろう。

 改めてであるが、宿題は提出することが目的ではない。身に付いて初めて意味があるものだ。仮に「参考」にしたところで、知識ゼロの状態と比べれば、多かれ少なかれバイアスはかかってしまう。

 そのようなリスクを考えると、「お手本」商品は小中学生でも、その親でもなく、「自由研究や読書感想文の研究」として収集している大人が購入していることを願うほかない。