そもそも、現在の農産物があまりにも安いことを日本人は自覚する必要があります。鳥インフルエンザによって、ここ数年日本の養鶏は100万羽単位、多い年には1000万羽を越える大量のニワトリを殺処分せざるを得なくなりました。これによって卵価格が高騰すると、マスコミは主婦や飲食店の声を紹介し、卵が高くなるとどれだけ困るかを報道します。

 物価の優等生と呼ばれ、何十年と価格が上がらなかった卵の価格は、たとえば30年前と比べたら鳥インフルエンザの流行がなくても2倍くらいになっていてもおかしくないのです。

 コメに至っては30年前の半額近くまで価格が下がっています。コメの価格が現在の半額になると、日本のコメ農家はどんな大規模経営でも生き残れないでしょう。

 そんな時代に生き残るのは、給料や年金のような副収入で生計を立てている、趣味でやっている小規模零細農家のみです。日本を、そんな農業しかできない国にすべきでしょうか?