アフリカをごらんください。これまで何度もアフリカでは食料危機が起き、農業振興が必要だと叫ばれています。しかしアフリカ農業には強敵がいます。大規模生産と輸出補助金(2015年WTOの第10回閣僚会議で撤廃に合意)を武器に低コストで穀物を輸出してくる国があるため、農業が成長できないのです。

 国内生産だと海外から入ってくる安い穀物にコスト的に対抗できないため、零細な農業は投資の余力が持てず、大規模化をしたくともできない。そのため、自分たちの国をかつて植民地にした国によって作らされていたコーヒーなどを輸出するのですが、これも多国籍企業に流通を握られているため、生産者までお金が落ちてこない。

 安い輸入穀物がアフリカ農業を振興する足かせになっていることは、国際援助に関わる人たちには常識です。

日本の農産物の安さは異常
卵の価格は30年前の2倍でいい

 私は日本をアフリカのようにするわけにはいかないと考えるため、そう主張するのですが、中には日本にも大規模農家が少ないとはいえ、育ってきているとお前は言っているではないかと思われる方もいらっしゃるかも知れません。しかしそんな大規模農家でも対抗できないから、どっさり交付金に浸かった経営をしているのです。