なぜ、すかいらーくHDは240億円も出して北九州発「資さんうどん」を買収するのか。資さんうどんの魅力や経営の強みを検証しつつ、外食大手の陣取り合戦、「うどん×和食のシン戦国時代」を考えてみたい。(ライター 宮武和多哉)
すかいらーくHDが240億円で買収!
SNSトレンド常連「資さんうどん」とは?
外食大手すかいらーくホールディングス(HD)が、九州発のうどんチェーン「資(すけ)さんうどん」を買収すると発表した。全株式を240億円で取得し子会社化する。
資さんうどんは1976年に、福岡県北九州市戸畑区に第1号店を開業した。長らく北九州市を中心に出店を続けてきたが、2018年に投資ファンドのユニゾン・キャピタルが大株主となってからは九州一円、西日本で積極的に出店している。
今般、すかいらーくHDはユニゾンなどから資産うどんの全株式を10月上旬に取得する予定。屋号や運営体制などは継承される見込みだ。
東日本の人だと、資さんうどんを知らない人も多いだろう。麺はコシがあり、サバ節や昆布などのうま味が強烈に効いただしとの合い口が絶妙で、食べた人にインパクトを残す一杯だ。北九州民にとってはソウルフードであり、出張者が「出先で食べた忘れがたい味」として挙げることもしばしば。全国チェーンでないにも関わらず、SNSでもひんぱんにトレンドに上がるほどである。
23年11月に関西初の常設店(今福鶴見店)を出店。今年7月には東京・神田で期間限定の店舗を出したところ1~2時間も行列する人気ぶりで、ファン拡大の勢いが止まる気配はない。今冬には東京・両国で常設店の出店を予定しており、ついに首都圏進出だ!とファンが待望していたタイミングだった。
なぜ、すかいらーくHDは240億円も出して資さんうどんを買収するのか。資さんうどんの魅力や経営の強みを検証しつつ、外食大手の陣取り合戦、「うどん×和食のシン戦国時代」を考えてみたい。