全国に800店以上を展開し、飛ぶ鳥を落とす勢いのうどんチェーン「丸亀製麺」。SNS上では「香川県丸亀市と直接関係ないのに、勝手に丸亀を名乗っている」「ダマされた!」といった類いの批判が絶えない。ネットで丸亀製麺にブチギレる人が見落としている“意外な事実”とは?(イトモス研究所所長 小倉健一)
丸亀製麺は商魂たくまし過ぎ?
「丸亀製麺」の創業の地は兵庫県加古川市、創業者も兵庫県の出身だ。にもかかわらず、店名に讃岐うどんの本場である香川県の「丸亀」をうたうのは商魂がたくましすぎる、という冷めた視線がある。丸亀市でタクシー運転手と話した際、改めてそう感じた。
丸亀の人にとってみれば丸亀製麺を「おいしい」と表明するのは、いささか抵抗感があろう。だが、丸亀製麺がいかにおいしいうどん屋であるかは、私が強調するまでもないと思う。それぐらいおいしい。
創業の地が丸亀でないというが、京都に本店を持たない「京料理」の店などいくらでもある。丸亀製麺を運営するトリドールが商魂たくましいのは事実だろうが、ファストフードとしての「うどん」を提供する技術は、最高レベルだ。
飲食店チェーンは個人経営の店舗に比べて、Googleマップや食べログなどの口コミサイトでは評価が低くなりがちだ。しかし、実際には個人店より多くの優位性がある。味の安定性、価格の手頃さ、そして便利さなどだ。
チェーン店よりおいしいレストランはたくさんあるが、それと同じぐらいにまずい個人店舗も多い。そんなところに入るぐらいなら、チェーン店に入った方が格段に良い。
個人の中華料理屋など、どうしてこのレベルで営業しているのかわからないレベルのお店がなんと多いことか。だったらバーミヤンや日高屋になる。これは多くの人が感じていることではないか。