会社が「愛社精神」を育てる本当の理由

まずは、愛社精神がなぜ必要だと思われているのか、会社の目線になって考えてみましょう。次のうち、どちらの社員のほうが会社に長く残ってくれそうでしょうか。

・会社のことが好きで好きでたまらないAさん
・会社のことを何とも思っていないBさん

やはり、Aさんですよね。一方でBさんは何か納得がいかないことがあればすぐに辞めてしまうかもしれません。

当然、会社としては多くの社員に愛社精神を持ってもらいたいと思っています。そのために企業理念の共有や研修等を通じて会社のことを好きになってもらう努力をするわけです。会社で不祥事等が起きたとしても、愛社精神があれば従業員は簡単には辞めないですからね。

愛社精神を持つと、「都合の良いコマ」にされてしまう

では、この会社側の思惑を理解したうえで「会社のことが好きで好きでたまらないAさん」を見てください。便利で、非常に都合がいいコマに見えてきませんか。きっと地方に転勤させようが給料をそんなに上げなかろうが、辞めないでついてきてくれそうですよね。愛社精神を持つことで、あなたは会社からこのように扱われるリスクを上げてしまっているのです。

つまり、このような人材にならないようにするのが重要です。会社にとって便利な存在になること自体を否定するわけではありませんが、「都合の良いコマ」として使われてしまうのはコスパが悪いと言わざるを得ません。

このような不遇な立場に置かれてしまう前に、効率よく高い評価を得て、余計な減点をできるだけ避けることができれば、今よりラクなビジネスパーソンライフを送れることでしょう。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の一部を編集・加筆・調整したものです)