米イールドカーブに景気後退のサイン、信じるべき?STREETWISE Johnny Simon/WSJ, iStock

 投資家は2年前、米国債市場で短期債利回りが長期債利回りを上回る「逆イールド」は景気後退(リセッション)の明らかな兆候とみなしていた。ウォール街の心配性の人たちは今、新たな不安を抱えている。逆イールドが解消し、景気後退の明らかな兆候が出ていることだ。

 奇妙に思えるかもしれないが、この二つのイールドカーブ(利回り曲線)の動きはどちらも景気後退の確かな兆候と言える。ただし絶対ではない。本当に重要なのは、なぜ利回りがそのような動きをするかであり、今回の要因は米連邦準備制度理事会(FRB)だ。

 FRBは来週から一連の利下げに着手すると予想されている。このため短期債利回りが急低下し、2年債利回りと10年債利回りの逆イールドが解消された。利下げの理由が、インフレ率が目標近くまで低下したことだけだとすれば、それは経済にとって理想的なソフトランディング(軟着陸)であり、景気後退が差し迫っている兆候では断じてない。