WARは「同じだけ出場機会を得た補欠レベルの選手と比較して、その選手がチームにどれだけの勝利をもたらしたか」を示す、数字の王様のような指標。大谷翔平の2025年を“勝利”に換算すると…? Photo:Emilee Chinn/gettyimages
「大谷翔平のWARは9.4」「MVP争いはWARで見ると――」。MLB中継やニュースで、近年頻繁に目にするようになった「WAR」という指標。名前は知っていても、その中身を説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。新刊『メジャーリーグが10倍面白くなる超・観戦術』(青春出版社)によると、WARは「数字の王様」。この一つの指標がわかるだけで、大谷選手の凄さの“本当の意味”が見えてくるといいます。
「○○AA」「○AR」――MLBの数字には“比較の基準”がある
MLBの選手評価を眺めていると、「wRAA」「OAA」といった数字がたくさん出てきます。これが何を意味しているかを知ると、MLBに深く浸透したセイバーメトリクス(統計学的な野球分析)の評価のクセに馴染めます。
「AA」は「Above Average(平均の上)」の略。その選手が平均レベルとの比較で、どのくらい上回っているのかを意味します。AAがついている指標は「0」であれば平均。プラスなら平均超え、マイナスなら平均未満です。
一方、「AR」は「Above Replacement(補欠の上)」の略。その選手が"代替可能な補欠レベルの選手"との比較で、プラスだったかマイナスだったかを示します。
私たちが日本のプロ野球で目にする数字に、こうした「○○と比較して」という発想はあまりありません。ホームランの数も打点も打率も、ゼロから積み上げる数字がほぼすべてです。







