カマラ・ハリス氏はバイデン政権が米経済を救ったと述べている。しかし現実には、「バイデンインフレ」によって大半の国民の暮らし向きが新型コロナウイルス禍前より悪くなっている。国勢調査局が10日発表した2023年の世帯所得・貧困・医療保険加入に関する報告書は、その最新の証拠を示している。良いニュース――もしかすると唯一の良いニュース――は、インフレ調整後の世帯所得の中央値が昨年、2019年以来初めて増加したことかもしれない。しかし、ヒスパニック系、アジア系、黒人市民の所得は、統計学上有意な増加を示していない。昨年のフルタイム労働者の実質所得中央値は1.6%減少した。高卒者に限ると減少幅は3.3%とさらに大きかった。これは、大半の低賃金労働者の賃金の伸びよりも物価上昇率の方が大きかったことを示している。労働市場が軟化し始める中で労働時間や超過勤務時間が減っていることが、原因の一つかもしれない。レジャー、ホスピタリティー、製造の各業界で特にこうした傾向が見られる。