米実業家イーロン・マスク氏は、テキサス州トラビス郡(州都オースティンを含む都市圏)の地区検事を選ぶ選挙の党候補者指名争いに、数十万ドルの資金をひそかに流し、ある検事を辞めさせようと画策したが、失敗に終わったことが分かった。民主党の大口献金者で著名投資家のジョージ・ソロス氏の支援を受けて当選し、就任した検事だった。米電気自動車(EV)大手テスラと宇宙開発ベンチャーのスペースXの最高経営責任者(CEO)を務めるマスク氏から主に資金支援を受ける「セービング・オースティン」と称する団体は、今年の民主党予備選に合わせ、現職の検事ホセ・ガルザ氏を攻撃するためのビラやメールを配布し、65万ドル(約9100万円)以上をテレビ広告に費やした。マスク氏の関与を知る複数の人物への取材や、連邦通信委員会(FCC)への提出書類、社内文書から明らかになった。