グローバル企業の多くが投資先として中国の優先順位を引き下げ、同国で展開する事業を整理統合している。主な理由は景気減速と利益率の低下だ。先週発表された在中国欧州連合(EU)商工会議所と在上海米国商工会議所による二つの報告書は、こうした先行き不安な投資動向を浮き彫りにした。「中国でビジネスを行うリスクはここ数年で高まり、それと同時に市場が減速している」。在上海米国商工会議所の鄭芸(エリック・ジャン)会頭はこう述べた。同会議所のアンケート調査によると、本社の最重要投資先が中国だと答えた企業の割合は、25年前に年次調査が始まってから最も低い水準に落ち込んだ。中国も既に気づいている。上海市政府は8月、最も切迫した経済課題の一つは「フルーツチェーン」(果物のサプライチェーン)の空洞化だと述べた。これは米アップルが、一部の電子機器の生産拠点をインドやベトナムなどに分散する動きを指す。