ドナルド・トランプ前米大統領を銃撃しようとしたとみられる事件で15日逮捕されたライアン・ラウス容疑者(58)は、イラン核合意から離脱するというトランプ氏の判断を巡り、自費出版した書籍の中で同氏の暗殺を呼びかけていた。2023年に出版されたこの著書は、ロシアに対するウクライナの戦いに参加しようとしたラウス容疑者の試みや、自身の政治的見解をつづったとりとめのない日記だ。トランプ氏に対して高まるラウス容疑者の幻滅、そして同容疑者が大失敗だと評する2021年の米国のアフガニスタン撤退や、その他の外交政策決定に対する怒りが述べられている。ラウス容疑者は「われわれが次の大統領に選んだ知的障害児が、結局愚かだと分かった責任の一端を私は負わなければならない。しかし、私には判断を誤り、ひどい過ちを犯したと認める器量があり、イランの件で私は謝罪する」と記し、トランプ氏がイラン核問題に関する「包括的共同作業計画」と呼ばれる合意から2018年に離脱したことを批判した。