FRBの9月利下げ、0.5ポイントが望ましい訳Rachel Mendelson/WSJ, iStock (2), Getty

 米連邦準備制度理事会(FRB)による今週の金利判断は、本来よりも難しそうに見える。本当に問題なのは利下げ幅ではなく、政策金利のしかるべき水準だ。今よりも「はるかに低い」というのがその答えで、0.5ポイントの利下げの必要性を物語っている。

 0.5ポイントの利下げが必要だと主張するにあたり、まずは、政策金利であるフェデラルファンド金利(FF金利)の誘導目標が現在5.25~5.5%と、2001年以来の高水準にある理由を検証することから始める。FRBが昨年夏に同誘導目標をその水準まで引き上げたのは、労働市場が過熱する中、基調的インフレ率が3%を大きく上回る水準で高止まりするのではないかと懸念したからだ。それを防ぐために景気後退(リセッション)を引き起こしても構わない、とFRBは考えていた。

 現在まで一気に話を進めると、基調的インフレ率を示す重要指標のいくつかは3%を下回り、一部はFRBの目標値2%の射程圏内にある。労働市場は冷え込んではいないが、減速している。今、景気後退が起こっても何の役にも立たない。