女性社員に嫌われたくないために、なかなか言いたいことを言えない。そんな人も多いのではないだろうか。「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化がすごい」と話題の『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』著者・森武司氏は、2005年の創業以来、18年連続増収増益を達成し、年商146億円となった。ここまで会社を成長させてきた秘密は何か? 本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。今回インタビューしたのは、株式会社ポジティブスターヨガ代表の庄司ゆう子氏。庄司氏はグラビアアイドルから、ヨガインストラクターを経て、15年間パーソナルヨガスタジオを運営している。今回は「女性スタッフのマネジメント方法」について話を聞いた。(ダイヤモンド社書籍編集局)

女性スタッフに嫌われる上司・ワースト1Photo: Adobe Stock

安心して働く環境づくりはLINEから

――本書のテーマの一つに「仲間との絆を深めるしくみ」があります。庄司さんが運営するパーソナルヨガスタジオはヨガ登録のインストラクターが50人と聞いています。女性スタッフを束ねる上で大切にされていることはありますか?

庄司ゆう子(以下、庄司):1番はスタッフが安心感を持って働いてくれる環境づくりです。

スタッフとの距離感を縮めるよう努めています。日頃から彼氏や家庭のことなどLINEでメッセージを送り合い、コミュニケーションを積極的に取っています。

問題・トラブルを事前に回避できるよう「困ったことがあれば何でも言ってね」と伝えるようにしています。

たとえば、弊社のお客さまは男性が9割です。セクハラ・パワハラとまではいかないにしても、お客さまからそのような言動や行動が100%ないわけではありません。

日頃から何でも言い合える環境にしておけば、私へメッセージを送るハードルも下がると思うんです。

「◯◯さんにこんなことを言われた」と相談を受ければ、すぐに私自身がお客さまとの話し合いの機会を設けることも可能です。

結果的に、スタッフが「お客さんだからしょうがない…」とストレスを感じることもなくなると思うんです。

とにかく、同性(女性)目線で嫌だと思うことはできるだけ排除するよう努めています。

“仕事”を軸足にしない意見も尊重

――長く働いてもらうために意識されていることはありますか?

庄司:最優先すべきは、彼女たち(女性スタッフ)のワークライフバランスを考えてあげることですね。

そもそも男性と女性では、働くことに対する、優先順位やモチベーションは異なる傾向にあると考えています。

あくまで一般的な話ですが、男性はキャリアアップや高収入を目指す傾向が強いですよね。

一方で、女性はライフステージの変化や家庭の事情に影響を受けやすい傾向があります。

例えば、あるスタッフは「彼氏との時間を大切にしたい」という人もいれば、時間に余裕がある人は「ガッツリ働きたい」と希望する子もいます。

私自身も2人の子を持つ親として、また経営者として両者の気持ちはよくわかります。

なので、どちらのニーズも尊重し個々の働き方を尊重するようにしています。

平日の昼間しか働けないという人もいますし、週1回働く人もいれば月に1回だけ働く人など、こちらから強制して働いてもらうことはほとんどありませんね。

決め手は定期的なサプライズ

――働く環境づくり以外で、スタッフ定着のために取り組まれていることはありますか?

庄司:そうですね、やっぱりスタッフに対しては頑張った成果に関してはしっかり還元してあげることですね。

『スタートアップ芸人』にも“部下のほうが社長よりも給料が多い”ということが記載してありましたよね。

これとは少しニュアンスが異なるかもしれませんが、スタッフ自身で予約を取ったお客さまに関しては還元率を高く設定しています。

1万1000円支払っていただいたお客さまがいたとすると、会社が5000円、スタッフが6000円という還元率にしています。

そうすると、スタッフはまず“会社から搾取されてる”“損した”とは思わないはずです。

これが逆に会社が7000円、スタッフが4000円だと、不満につながると思うんです。

頑張った分だけ還元されると、自身での営業も積極的になり、会社の売上も上がりますよね。

そうすると、わざわざ「会社を離れよう」「独立しよう」とは感じなくなるようです。
独立するとなるとそれこそかなりコストもかかりますしね。

あとはやっぱり“サプライズ”ですね。特に女性は好きなんです。

誕生日プレゼントや、ヨガウェア、エステなどプレゼントして、日頃の感謝を伝えるようにしていますね!

なので、今回のテーマである【女性に嫌われる上司・ワースト1】の回答は、「スタッフのワークライフバランスや安心感を軽視する上司」だと言えると思います。

日常的にコミュニケーションをとったり、スタッフ一人ひとりのニーズに応えようとすることで、信頼が生み出せると思います。

『スタートアップ芸人』では一緒に働く仲間との信頼関係をつくる仕組みなどヒントが満載ですので、職場の環境つくりに悩んでいる方には参考になると思います。