中国有数のシンクタンクの著名なエコノミストが当局から捜査を受け、拘束された後に解任されたことが分かった。事情に詳しい関係者らが明らかにした。エコノミストは私的なチャットグループで、習近平国家主席の経済政策を批判していたとされる。当局から捜査を受けたのは、中国社会科学院(CASS)の経済研究所で10年にわたり副所長を務めてきた朱恒鵬氏。中国共産党は現在、同国の経済情勢に関する否定的な情報を抑制しようと取り組みを強化している。事情に詳しい関係者らによれば、今月55歳になる朱氏は、SNS(交流サイト)アプリ「微信(ウィーチャット)」上の私的なグループチャットの中で無礼とされるような発言を複数回行っていた。同氏はその後、春に拘束されたという。コメントには低迷する中国経済に関する発言や、習氏を暗に批判する内容もあったと関係者の1人は述べている。