中学受験塾として圧倒的な合格実績を誇り、“王者”の異名を持つSAPIX。その草創期から長年にわたって指導してきた広野雅明氏に「中学受験の素朴な疑問」をぶつけた。第1回(全12回)では「プリント整理が大変すぎる問題」についてSAPIXの見解を尋ねた。(聞き手・文/教育アドバイザー 鳥居りんこ)
プリント整理に泣く親へ
SAPIXからアドバイス
――サピックスは難関校への圧倒的な合格実績で、今や、中学受験塾の絶対王者とも言える存在ですが、一方で「親が大変すぎる!」「面倒見が悪い」という親の嘆きも耳にします。現場では、この「面倒見の悪さ」をどうお考えでしょうか?
サピックスでは、学習相談メモという用紙を用意しており、お子様に持たせて頂ければ、担当講師からすぐにお電話を差し上げています。最近では、メールでの質問も受け付けておりますので、学習相談をメールで頂ければ、すぐにお電話をするようにしております。授業中などで様子をみて心配なお子様にはなるべくご連絡させて頂いてはいますが、なかなかすべてのご家庭に連絡できている状況にはなっておりません。
そのため上記のようなアクションを起こしてくださった人に対しては、かなり手厚くサポートしていますが、そうでないご家庭には連絡が不十分な状況になっているかと思います。もう少し改善をしていきたいと考えております。
ただし、お子様の人生にとって中学に入った後のほうが、よほど大事ですね。自学自習できないお子様は中学に入った後が大変です。最初から自分でできる子はいませんが、中学受験を通して、徐々に自分一人で学習する習慣をつける必要があります。
――理想論はそうかもしれませんが、やはり小学生の受験です。プリントの整理が本当に大変で、サピックスは特に親の負担が大きいと聞きます。最初は頑張って教材やプリントの整理をやっていたのに、気が付いたら、積み上がっているだけという母の嘆きの声もたくさん聞こえてくるのですが……。
プリントを溜め込むことを気にするのは、あまり意味がありませんね。ファイリングだけして、何もやらないんだったら、処分しても大丈夫です。