頭のいい子が受ける国語の授業には1つの共通点があった。中学受験の先を見据えた“本当の学び”とは? SAPIXの広野雅明先生に「中学受験の素朴な疑問」をぶつける連載。第8回(全12回)は「中学受験で身につく、一生モノの読解力」を取り上げる。(聞き手・文/教育アドバイザー 鳥居りんこ)
SNS時代にこそ
名門校の国語の授業が必要だ
――前回はSAPIXの保護者は渋谷教育学園渋谷※や広尾学園※、三田国際、開智日本橋などの帰国子女を多く受け入れ、グローバル教育を重視する学校を支持する人が増えているというお話でした。SAPIXと言えば、かつては御三家御用達のようなイメージを私は持っていましたが、実際はどうなのでしょうか?
渋谷教育学園渋谷…1996年設立。創立30年に満たないにもかかわらず、最近は毎年、東大に約30人が合格、海外大学にも多数の合格者を出している。今や自他共に認める都内難関校のひとつ。教育理念は自分で調べ、自分で考えるという意味の「自調自考」。
広尾学園…2007年の改称・共学化以来、単なる大学受験のための教育ではなく、本物の国際人や研究者を育成するという独自の人材教育を目指す教育改革を行い、中学受験生保護者からの熱烈な支持を集める。海外大学への全国屈指の実績を誇り、中学受験でも難関校の仲間入りを果たしている。教育理念は「自律と共生」。
志望校については以前から、ご家庭のご要望に合わせて、ご希望の学校に合格できるように応援するのが私どもの方針です。塾からこの学校を受験しなさいとは言わない主義です。もちろん、保護者からどの学校がよいかご相談があった場合はお答えします。
「ウチはこういう性格の子だから、こういう学校のほうが向いているんじゃないでしょうか?」と聞かれたら答えますが、こちらから「あなたのお子さんにはこっちの学校のほうが性格的に向いていますね」などということは言いません。
向いている・向いていないで分かるのは、この子にはこっちの学校のほうが入試問題は解きやすいのではないか?ということですが、それも聞かれたら答える程度です。