イスラエルはこの2週間、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラを少しずつ解体してきた。27日のヒズボラ指導者ハッサン・ナスララ師とヒズボラ本部に対する大規模攻撃は、間違いなく最も決定的な打撃となるだろう。ヒズボラの戦闘能力が激しく混乱していることで、短期的にはレバノンの破壊と政治的混乱につながるだろうが、同国が利己的なテロリスト集団とテヘランにいるその後ろ盾に支配されない未来への扉を開くものだ。ナスララ師は世界的なテロリスト集団の頂点にいたというだけでなく、ヒズボラの政治部門および軍事部門のトップでもあった。ナスララ師は30年余りにわたって組織の拡大を指揮し、レバノンで最も強力かつ効果的な統治体制を築いた。ヒズボラの戦闘部隊はレバノン軍より大規模で、装備も優れている。また、ヒズボラの社会活動はレバノンで唯一機能していたと言っていい。その政党は実質的にシーア派圏を支配していた。レバノンにおける重要な決定はすべてナスララ師を通じて下され、彼の写真は数十年間、レバノン全土の道路や学校、山岳地帯にも掲げられてきた。
【寄稿】ナスララ師亡き後のレバノンとイラン
イスラエルの攻撃で短期的にはさらなる混乱の可能性も、将来の和平は有望
有料会員限定
あなたにおすすめ