日本の“中立金利”は「1.8%」!?大幅利上げが必要なのにぐらつく日銀の金利正常化Photo:PIXTA

FRBなど主要中央銀行が利下げ
日銀、9月決定会合では「据え置き」

 9月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は0.5%の利下げを決め、政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.75~5.0%とした。

 アメリカの利下げは4年半ぶりだが、これに先だってイギリスは、8月に4年5カ月ぶりの利下げを行なった。カナダは9月初旬に政策金利を引き下げた。欧州中央銀行(ECB)も9月12日、中銀預金金利を3.75%から3.5%に引き下げた。6月に4年9カ月ぶりに利下げを決めた後、7月は政策金利を据え置いていた。

 世界の中央銀行が利下げにかじを切るのは、物価上昇が落ち着きつつあるためだ。

 ユーロ圏では、8月の消費者物価指数の伸び率が前年同月比2.2%と、およそ3年ぶりの低水準になった。ドイツでは2.0%。ユーロ圏20カ国のうち9カ国は、すでに2%以下まで鈍化している。

 一方で日本銀行は主要中央銀行とは逆の動きだ。3月と7月に利上げを実施したものの、9月20日の金融政策決定会合では政策金利は据え置かれた。0.25%の短期金利の誘導目標は政策金利の到達点の目途となる中立金利に比べると低すぎる。