7月から日銀国債買い入れ減額の新局面
金利上昇と株価上昇は両立?
日本銀行は6月14日の金融政策決定会合で国債買い入れの減額方針を決め、7月からQT(量的引き締め)をスタートさせる。
日本の長期金利(10年国債金利)は5月30日に一時1.1%に上昇し、2011年7月以来の高水準となったが、その後6月には、米国長期金利低下や日銀がQTを慎重に進める姿勢を示したことなどを受けて再び1%を割り込んだ。
5月の日本の長期金利上昇の理由の1つに、日銀による量的引き締め開始観測の強まりがあったが、それが現実になることで、今後、長期金利の上昇や、それによる株価への波及はどうなるのか。
日本の長期金利の妥当レンジは「1.0~1.75%」から徐々に上方シフトすると試算している。今後、米長期金利の低下が見込まれるが、その影響を勘案しても、日本の長期金利はいずれ1%を上回る水準が定着するだろう。
ただ期待インフレ率の高まりで実質長期金利はマイナス0%台後半以下にとどまり、企業業績の改善傾向は変わらず、24年度末に向けては、日本の長期金利上昇と株価上昇が両立する可能性が高い。