ドナルド・トランプ前米大統領が格好の標的としてそこにいなければ、民主党は思うように議論を展開できない。それが、1日に行われた共和党のJD・バンス上院議員(オハイオ州)と民主党のミネソタ州知事ティム・ウォルズ氏による副大統領候補討論会で引き出された最も明白な結論だった。バンス氏は巧みさと規律、そして洗練さをもって現政権に対する批判を展開した。その上で、トランプ政権時代とその退任時の様子を、必ずしもそうは認識されていないにもかかわらず、比較的平和で繁栄した時代として振り返った。ウォルズ氏は緊張した面持ちで、伴走者の大統領候補であるカマラ・ハリス副大統領の実績を明確に擁護するのに苦労していた。中西部のおやじ同士の戦いはおおむね友好的で実質を伴うものだった。両候補は互いに敬意を持って接し、相手への厳しい攻撃は控えた。「バンス上院議員はこの問題を解決したいはずだと思う」。ウォルズ氏は移民問題に答える際にこう述べた。「だがドナルド・トランプを支持し、解決策を探るために協力しないことで、他の人間の尊厳を否定し、悪者扱いすることになる」
JD・バンス氏の「トランプ流」 元祖よりもまし
米副大統領候補による討論会は、バンス氏がトランプ政権時代を美化することで優位に立つ一方、ウォルズ氏は安定を欠いた
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