米スポーツ用品大手ナイキほどのトップランナーがハードルを下げるのは容易ではないが、新しいリーダーの下でならはるかにたやすいだろう。ナイキが1日の取引時間終了後に発表した6-8月期決算では、ひどい数字が散見された。売上高は前年同期比10%減で、同社の見通しおよびビジブル・アルファがまとめた市場予想に並んだ。四半期の落ち込みとしては、新型コロナウイルス流行初期の打撃を受けた2020年以来の大きさとなった。ただ、人員削減を含むコスト削減が寄与し、純利益は28%減と、アナリスト予想(47%減)ほどの悪化は免れた。同社は現在、停滞気味の状況にある。ジョン・ドナホー最高経営責任者(CEO)は近く退任する。決算説明会では同氏は発言せず、マシュー・フレンド最高財務責任者(CFO)が代わりに仕切っていた。ナイキで32年働き、人望もあるエリオット・ヒル氏が同社に戻り、14日にCEOに就く。この発表以降、ナイキの株価は10%ほど回復したものの、年初来ではまだ約18%下落している。