筆者の趣味は山歩きと旅行である。旅行の前には情報を収集する。帰ってから情報を整理する。そのときにはいろんなツールを使っている。

 旅先での楽しみとしては、まったく異質な自然の姿がある。もう1つは旅先で体験する社会の仕組みや流れが普段の生活と大きく異なる点である。

 普段とは異なった世界に入ると、その刺激に基づいて考えてしまうことも多い。なかには経済や株式に関することも混じる。海外であれば、日本と比較したうえでの、その国の経済的な発展力がある。芽を出し、発展しつつある産業や企業のこともある。

 すぐさま思い出すのは、1990年代半ばに体験したアメリカでのインターネットの普及であり、2000年ごろの中国の奥地(チベットのラサ近郊)での携帯電話網の発展である。もちろん個別企業に関する発見もある。グーグルマップは代表的な事例だろう。

 そのような株式に関するちょっとしたヒントから、「この国の通貨や、代表的な企業の株式を買ってみよう」「この産業は成長するだろうから、関連する企業の株式を買えばどうか」「ひるがえって日本は、日本企業は……」と、思考が展開していく。

 もちろん、想定したのとは異なる方向へと現実が進んだこともあるのだが、そこは分散効果でしのいできたというのが偽らざる事実である。