その企業が成長しているのは
社会に役立っているからこそ

 個人としての株式(個別株)との主な付き合い方は長期保有である。

 経済の発展と成長があり、それによって企業が成長する。逆に、まれではあるが、成長する企業が経済成長を促すこともある。

 いずれにしても、成長する企業の株式を長期にわたって保有していれば(途中で見込み違いだと思えば、保有をやめればいいわけで)、個人は企業から果実を受け取れる。これが本来の個人と株式の関係だろう。

書影『京都大学人気講義の教授が教える 個別株の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『京都大学人気講義の教授が教える 個別株の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
川北英隆 著

 さらに言えば、成長する企業とは、結局のところ社会に役立つことをしている企業である。そのような素晴らしい企業の株式を個人として長期に保有することは、その企業の経営に賛成票を入れることに等しい。

 それはたった1票かもしれないが、そんな1票が積み重なることによって企業は力を得る。環境だとか、雇用だとか、ESG(環境、社会、企業統治)だとか、そんな小難しいことを叫ぶ必要は何もない。

 素晴らしい企業に1票を入れることは、社会に貢献することでもある。

 このような壮大な夢が正夢になることを、と願わずにはいられない。

 そう、スマホを捨てて町に出よう、日本を、世界を旅しよう。

 長期保有の株式が帰りを待っていてくれる。