イランにとって自国への攻撃の抑止力として特に重要な二つの要素、すなわちレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラと弾道ミサイルは、これまで考えられていたほど強力ではないことがイスラエルによって白日の下にさらされた。このため、イランが核開発計画を加速させ、新たな抑止力とするかどうかが次の焦点となっている。イラン当局は数カ月前から、核兵器製造に必要な知識の大半を蓄積していると主張してきた。また、大量破壊兵器は取得しないとしてきたイラン最高指導者アリ・ハメネイ師の20年来の方針を再考することもあり得るとしている。イラン原子力庁の元長官、フェレイドゥン・アバシ氏は9月下旬、イランは濃縮度90%の核兵器級ウランの生産を開始する可能性があると示唆した。米当局は、イランは現在保有する濃縮度60%のウランを2週間以内に兵器級に転換できるとの見方を示す。