【社説】EV政策が影落とす米ミシガン州Photo:Bloomberg/gettyimages

 米バイデン・ハリス政権は電気自動車(EV)に関する規則や補助金の素晴らしさを売り込み続けているが、EVを巡る政治はあまりうまくいっていない。大統領選の激戦州の一つであるミシガン州の共和党員たちはこの問題で攻勢をかけており、民主党は突如として守勢に立たされている。

 ドナルド・トランプ前大統領の陣営などは、ミシガン州で現政権のEV政策を標的にした広告を大々的に展開している。トランプ陣営の新たな広告は「自動車業界の労働者の皆さん:カマラ・ハリスはすべてのガソリン車をなくしたがっている」と警告し、こう訴える。「(ハリス氏の)EVだけを義務付ける取り組みは大失敗しており、ミシガン州の自動車労働者にそのつけが回っている。大規模な人員削減は既に始まっている。次はあなたかもしれない」

 ハリス副大統領は4日、トランプ陣営の広告に対抗するため、ミシガン州フリントで行った集会でこう明言した。「対立候補が言わんとしていることとは違って、私はあなた方にどんな車を運転すべきかを指示することは決してない。私が行うのは、こういうことだ。フリントのような地域社会に投資する。既存工場の設備を一新し、地元で人を採用し、労働組合と協力して高賃金の雇用を創出する」