さらに、昨年38位から31位に上昇した福井県(21.9点)は、北陸新幹線の延伸により盛り上がりを見せている。杉本達治福井県知事は「100年に一度のチャンス」と発言しており、魅力度が大きく上昇した。

 また、2023年7月にリニューアルオープンした福井県立恐竜博物館も、恐竜ブームを引き起こし訪れる人が急増している。田中社長は、「福井県がもっと上位にランクインしてもおかしくない。今後も魅力度が上昇する可能性が高いだろう」と指摘した。

 福井県の観光意欲度においては、「ぜひ行ってみたい」が昨年の15.9%から18.2%に上昇し、「機会があったら行ってみたい」が39.3%から41.7%に上昇した。約6割の人が福井県を訪れたいと思っていることが明らかになった。

各自治体が新しい観光メニューを考案
SNS向けの体験型スポットが人気化

 観光庁は「体験型観光」の推進を強化し、特別なコンテンツやイベントなどへの支援を行っている。

 田中社長は、「地域の目玉となる新しい観光メニューが増えている。特に旅館では、単なる宿泊施設としての役割を超えて、朝食に力を入れたり、独自の温泉体験を提供したりするなどの工夫が見られる。若者をターゲットにしたSNS映えする商品やサービスの付加価値が高まっており、これが観光地の人気を後押ししている」と述べる。

 また、外国人観光客を意識したテーマも各地域で独自に発信されており、今や「バズる」スポットが増加している。SNSでの拡散が地域の魅力度向上に大きく寄与していることが特徴と言えるだろう。

 2024年は例年よりも順位の変動が大きくなった。今後も、各地域がどのように魅力を発信していくのか、引き続き注目していきたい。

(フリーライター 西嶋治美)