ネガティブフィードバックを
上司自身が避けがちな理由とは

 上司がネガティブフィードバックを嫌がる理由の第一は、耳が痛い話をされて「ありがとうございます」と喜ぶ部下はいない(または極めて少ない)からです。相手に喜ばれないことに積極的になれないのは、人として当然です。

「業務におけるパフォーマンスが期待を下回っている」、「あなたが求めている方向と会社の求めている方向にズレがある」「変えて欲しい行動がある」と言われて、条件反射的に笑顔で感謝できる人は稀です。

 どんなに取り繕ったとしても、部下からはイラッとしたり、ムカッとしたり、ガクッときたりといった怒りや不満、恐怖などの感情が現れます。

「納得できない」「自分のことを理解してくれていない」「間違っているのは上司のあなただ」などと反抗的な気持ちになる人もいれば、「組織から排除されるかもしれない」「出世や自分のキャリアが閉ざされるかもしれない」「周りから仕事ができない人だと思われるかもしれない」などと不安な気持ちになる人もいれば、「いつもの小言だからスルーしよう」「どうせ数字が良くなれば何も言わなくなる」「上は大げさに騒ぐが、自分の仕事や技術はこれからも必要」と軽くスルーする人もいます。